Pogara M

Mojalandのほうから来ました

kakusetitie

(オンラインで)共有されやすい情報

 期待と不安がないまぜになった状態から安心を獲得する心理的過程を経ると、人は「覚醒的な興奮状態」になるらしい。


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 人はこの覚醒的な興奮状態になると、他人と情報を共有したいという欲求にかられるらしい。この観点から考えると、オンラインで共有されやすい情報は事実よりも感情であり、ダイエットや新製品の情報よりも、畏敬の念や怒りであるらしい。たしかに、3.11の際はTwitter上のツイートの数が飛躍的に増加した印象をうけたが、このような心理的な作用が働いているのかもしれない。

 ひるがえって考えれば、他人が興味をもつ可能性がある情報というものは、この覚醒的な興奮状態に自分を至らせてくれる情報であって、エッセイストの岸本葉子さんも『エッセイ脳』という著書のなかで言及されていたが、客観写生よりも読者に共感と気づきを与える内容のほうが読まれやすいそうだ。

 また、そもそも会話というものを考えると、相手との関係性にもよるが、覚醒的な興奮状態に至るための条件を元来そなえているものと思われる。つまり、ある話題について自分の腹の中にある期待や不安が相手の返事(フィードバック)によって安心状態に移行する*1

 同様に、ギリシア悲劇におけるカタルシスも、覚醒的な興奮状態に至るプロセスと共通の構造を持っているだろう。

 さらに、桂枝雀がいつも話していた、笑いにおける緊張と弛緩も同様の構造であろう。

 下心をもって、あざとくこの種の情報を伝播させようとするような行為には問題があるかもしれないが、「なぜこの人は一生懸命ツイートするのか、そしてどうしてそれらのツイートがまったくおもしろくないのか」といった疑問には答えてくれそうな気がした。


覚醒的な興奮状態の存在を示唆する表現

  • そして幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。(昔話のむすび)

*1:このプロセスに至れなくなった状態がマンネリなのかもしれない